前回の記事から、ついに木の盾の制作が始まりました!
準備に始まり、これからの制作でもずっと使うような内容が盛り沢山なので、
ぜひ頑張って作業を進めていきましょう!
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前回の記事3Dモデル基本のき⑥ ~ふつうの木の盾をつくろう その一 準備編~
前回の記事では、苦しく険しい「初心者ゾーン」を素早く抜け出す、 脱初心者の上達法をお伝えしていきました。 何をするにも調べながらで、好きなものがなかなか作れないのはつまらない! 初心者脱出に必要十分な ...
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今回は木の盾第二回目というこで、モデルの形状を作るモデリング工程を進めていきます。
前回に引き続き動画での解説もご用意しましたので、参考にしていってください!
モデリング開始!
今回は早速DCCツールでの作業に移っていきます。
単に形状の作成を行うだけでなく、
クリンナップの方法もお伝えしていくので要チェック!
モデリング工程
押し出し
面を選択してEキーを押すことで、
選択した面を押し出すことができます。
このツールの面白いところは、押し出し面が選択した面のフチにあたるエッジと
接続された形で生成されるところ。
今回はこの特性を利用して、ただ面を押し出す用途だけでなく、
選択面をそのまま縮小したような面を作成するためにも利用しています。
2軸での編集
ギズモに表示される各軸に対応する色の正方形をつまむか、
Shift + 変更したくない軸のキーで、
残り二軸での編集が可能です。
移動や拡縮では意外と使用頻度が高く便利ですよ!
CG臭さを消すには…
今回の講座動画でおそらく一番難しい内容がこれ。
まさに言うは易しといったところで、単純なモデルでも複雑なモデルでも、
これができるかどうかで品質が決まっていきます。
ほんの少しの移動やトポロジーの違いで劇的に見栄えが変わりますので、
モデルを沢山観察して、沢山作って、感覚を養っていきましょう!
ループ選択
Alt +Shift + 左クリックで、ループ選択が行えます。
こちらも必須級の操作なので、この機会に身に着けておきましょう!
木の盾のようなモデルは勿論、複雑なモデルに対しても、
きれいに整理されたトポロジーを持ったものであればとても有効です!
角形合わせ
特にローポリモデルで有効なのが、この角形合わせ。
モデル形状の違和感を低減し、UV展開とテクスチャリングでの問題を避け、
スキニングでも貫通を防止しやすいという非常に有用な小技です。
独立メッシュの選択
選択したいパーツにカーソルを合わせてLキーを押すと、
独立したメッシュを全て選択することが出来ます。
モデリング工程でも大変便利なのですが、
次回のUV工程では本当に必須な機能の一つ。
覚えることがなかなか多いですが、これも身に着けておけると吉です!
操作の中心の変更
準備編でも登場した、操作の中心の変更です。
モデリング中は選択部分の中心を操作の中心としたいことが多いので、
主にこのBounding Box Centerを利用することになるでしょう。
対称編集
右上のちょうちょマーク横に並ぶX,Y,Zボタンを押すと、
その軸対称での編集ができるようになります。
移動や回転、拡縮などの編集は対象に行えるのですが、
後述のループカットやナイフツールでの編集は適応されないので要注意!
複雑なモデルを対称に作りたいときは、
ミラーモディファイアを使うのが良いでしょう。
ループカット
ループカットツールではCtrl+Rから左クリックで位置決定、
右クリックで中央にループ状のエッジを追加できます。
リング状のトポロジーがあれば均等にループ状のエッジを追加できるので、
なにかと使いどころの多いツールです。
Blenderの各ツールには様々なショートカットが用意されていますので、
更なる活用法を知りたい方はぜひまとめて調べてみてくださいね!
ナイフツール
画面左のボタンやKキーで呼び出せるのが、
自由自在にエッジを追加できるナイフツールです。
エッジ上でShift + 左クリックを押せば中央に頂点を増やせるので、
ちょっぴり正確なモデリングにも活用できます!
これもツール内にいくつかのショートカットがありますので、
ツール自体に慣れてきたらぜひそちらも確認してみましょう!
クリンナップ
3DCGにおいて、クリンナップは非常に大切な作業です。
なんといっても3Dのデータは要素が多く複雑で、
2Dのデータと比べてもエラーが内包されやすい構造だからです。
企業モデラーを目指す方も販売をしていく方も、
また自習制作においても、ツールや複数人の間を行き来するには
正常できれいなデータ作りがまず大前提。
上手なモデルよりもデータ的に正常なモデルがありがたいくらいなので、
ぜひ各工程や仕上げの際にはクリンナップを行うことを心掛けてください!
オブジェクトのマージ
オブジェクトを複数選択してCtrl+Jを押すことで、
選択オブジェクトをマージすることが出来ます。
各工程では作業のしやすさや仕様の観点から、
オブジェクトを合体・分離させる必要が出てきます。
あまりオブジェクトがバラバラのままでは進めにくい作業もありますので、
適宜この操作を行っていけるといいですね。
ちなみに分離はEditモードでPキーから行うことができ、
選択物やマテリアルごと、独立メッシュごとで分けることができますよ!
Transformのデフォルト化
ObjectタブからApplyのAll Transformsで、
選択したオブジェクトのTransform値をデフォルトに戻せます。
完成したオブジェクトにデフォルト以外の数値が入っていると、
他の工程やソフトで扱い難くなってしまいます。
一旦モデリング工程が終了したら、この操作を行ってから
Transformの各値をロックしておくように心がけましょう。
ポリゴン数の確認
右上タブのStaticsにチェックを入れることで、
オブジェクト数やポリゴン数を表示することができます。
特に形状や仕様が複雑なモデルを作成する際には、
最初から表示しておくと便利ですね。
重なった頂点のマージ
MeshタブのClean UpからMerge by Distanceで、
選択物の至近距離の頂点同士を結合することができます。
モデリング工程の最後にこれを行っておくと、
ラミナフェースという、完全に重なったフェースをクリンナップできます。
これはエラーの元になる上に発見がかなり難しいので、
こういったツールで一気に修正してしまいましょう!
多角形ポリゴンのチェック
SelectタブのSelect SimilarにあるPolygon Sidesを利用して、
多角形ポリゴンのチェックを行うことができます。
四角ポリゴンのフェースを一つ選択し、
ツールによってそれ以上の角形を持つ面を選択することで、
多角形ポリゴンをあぶり出せるという仕組みです。
後述するメッシュの表示非表示と合わせれば簡単にチェックを行えますので、
こちらも是非ご活用くださいませ!
メッシュの表示非表示
Shift + Hで選択フェースのみを表示、
Alt + Hで再表示を行えます。
勿論モデル作成時にも非常に役立つ頻出操作ではあるのですが、
前述した多角形ポリゴンのチェックにも大役立ち!
選択面のみを表示することで多角形ポリゴンを発見しやすくなり、
四角や三角に割って修正するのも楽になるのです。
非多様体ジオメトリ
SlectタブからSelect All by Trait、Non Manifoldを選ぶことで、
非多様体ジオメトリを選択できます。
非多様体ジオメトリは、独立した頂点やエッジ、同じエッジを共有する三つ以上の面など、
破綻した構造を持ったメッシュのことを指します。
非常に厄介かつ複雑なモデリングを行う際には発生しやすいので、
こちらもしっかり確認を!
さいごに
やっとモデリングの工程が完了!
それでは次回、木の盾のUV展開、
脱初心者めざして頑張って参りましょう!