裏口モデル講座

3Dモデル基本のき②後編 ~どんなソフトを使えばいい?~

2020年10月10日

前回の記事では、実際にどんなモデルを作っていきたいのか、
目的地を決めていきました。

前回の記事3Dモデル基本のき②前編 ~どんなモデルが作りたい?~

初回は、「3Dモデル」というものが一体何からできているのか、 その正体について解説していきました。 それを踏まえて、とにかく3Dモデルを作りはじめたい! でもどんなモデルが作れるのか、どのソフトで作れ ...

続きを見る

 

今回はその内容を踏まえ、準備物、すなわち使用するソフトを選んでいきます。

3Dモデリングに関係するソフトは世の中に沢山ありますが、
目的地さえ見えていれば、自ずとなにが必要かも分かってくるもの。

ここでは有料ソフト、無料ソフトをそれぞれ一つずつ紹介していきますので、
目的地に合ったものを探していきましょう!

 

 

なんでもござれ?統合型ソフト

統合型ソフトとは、名の通りCG作品を作るのに必要な機能が詰まったソフトのことです。

モデリングはもちろん、作ったものにアニメーションをつけるための機能や、好きな色を塗れるようにするための機能、作品を撮影したり、動画にしたりする機能までがこのタイプのソフトには入っているのです。

これらのソフトは基本的にポリゴンモデリングを得意としていますが、スカルプトで作ったモデルも動かして映像にしようとすると統合型ソフトのお世話になることでしょう。

 

また、当「裏口モデル講座」では、全く3Dモデリングに触れたことのない方には
統合型ソフトでのモデリングから始めることをオススメしています。

それはこういったソフトでポリゴンモデリングをやってみると、
3DCGの基礎を体感することができるためです。

スカルプトでリアルなモデルやフィギュアを作っていきたい方も、
ポリゴンの基礎を知ることでより良いモデルを悩まず作ることができるようになるのです。

 

Maya

Introducing Maya 2020

 

国内外問わず多くのCGスタジオで採用されているのが、AutodeskのMayaです。

老舗ソフトで無料の講座やプラグインも多くあり、何よりCG業界を目指す人にとって、
就職後も同じソフトを扱えるということは強みになるでしょう。

映画やポスターのようなリッチな作品を作りたいという方はもちろん、
ゲームやVtuberのモデルを作っていきたいという方にもオススメできるソフトです。

いつか本格的に3DCGモデラーとして活動していきたいという人は、
チャレンジしてみる価値はあるはず!

 

本来高価な有料ソフトですが、現在は安価なインディーライセンスも販売しています。

販売サイト

また、管理人もMayaのインディーライセンスを利用してモデルを作っているので、
講座の内容を再現しやすいという利点もあるかも?

 

加えて学生版はなんと無料で利用できるので、
CG業界を目指している学生の方は是非活用していきましょう!

学生版サイト

 

 

Blender

Blender 2.90 - Features Reel and Showcase

 

数ある有料ソフトも真っ青な無料ソフト、それがこのBlenderです。

オープンソースのソフトで、有志の作ったアドオンと呼ばれる追加機能が
たくさん公開されており、機能面では有料ソフトにも見劣りしません。

モデリングソフトとして採用している企業はまだ少なめですが、
機能が豊富かつとても充実しているため、趣味で、あるいは個人販売で
3Dモデルを作っていくには最適なソフトと言えるでしょう。

ショートカットが多く使いこなせるようになるまでには結構な慣れが必要ですが、
昨今はUIも分かりやすくなり初心者にもオススメできるソフトになっています。

公式サイト

 

 

粘土のように扱える?スカルプトのソフト

スカルプトでのモデリングを専門とするソフトもあります。

大量のポリゴンを扱うこれらのソフトは、感覚的にモデリングを行えるのが特徴。

細かな造形もしやすいので、リアルな生物や服のシワなんかを作るのも得意です。

 

ただ、データが重くなりやすいため相応のPCスペックが必要になること、
そしてモデリングにペンタブレットが必要なことも特徴として挙げられます。

そのどちらもない!という人は、前準備のための出費も覚悟しなければならないでしょう。

 

ZBrush

ZBrush 2021 Official Sneak Preview

 

映画やゲーム、フィギュアの業界で引っ張りだこなのが、PixologicのZBrushです。

「ホビット」などでとても有名なWETAデジタルが開発に協力していることからも分かる通り、
機能面でも普及の面でも、スカルプトのソフトとして不動の地位を築いています。

 

リアルな人物、クリーチャー、美少女に至るまで、スカルプトを極めたいなら
是非手に入れたいソフト!

…なのですが、気になるお値段が日本円で10万円以上(2020年現在)。

しかもサブスクリプションもないので、購入時に10万の出費が必要になります。

 

永久ライセンスを購入できる上にアップデートにもずっと対応してくれるという
素晴らしい待遇ですが、いきなりは手を出しにくいお値段となっています。

なんと、狂気の永久アップデートがついに終了いたしました…
これから入手される方は、その点にもご注意くださいませ!

公式サイト

 

ちょっとならお金を出して試してみたい…そんな人にはこちら。

ZBrushCoreという機能縮小版が安価で販売されているのです。

公式ページ

ただ、結構できないことも多い印象。
どうしてもZBrushでスカルプトを学びたい!という人以外は、
スカルプトに慣れるまで無料のソフトを試してもいいかもしれません。

 

 

Sculptris → ZBrushCoreMini

Introducing ZBrushCoreMini

 

かつて彗星の如く現れたZBrushの対抗ソフト、Sculptris
…を吸収して登場したのがこのZBrushCoreMini

Sculptrisの機能を最適化しつつ、Sculptrisと同じように無料なのが特徴です。

その名の通りZBrush系列のソフトなので、スカルプトに慣れたい人は
まずこちらを利用してみるのはいかがでしょうか?

公式ページ

 

 

モデルに色や質感を描こう!ペイントソフト

3Dモデルに色を塗ったり質感を設定するためには、実は2Dの画像が必要です。

2Dで作成した画像をテクスチャとしてモデルに貼り付けることで、
モデルの見た目を決定できるのです!

 

ペイントソフトといえば、イラストを描くのに使われているようなソフトを想像する人が多いでしょう。

もちろんテクスチャの作成にはイラストを描くためのソフトを使うことも可能です。
普段から絵を描いている人であれば、まずは使い慣れたソフトを使っていきたいところ。

 

ただ、昨今では3D空間上でそのままモデルに描き込みを行えるようなソフトも登場しています。

質感の細かな設定が必要なPBR向けのモデルを作りたいという人には、
特に3Dペイントソフトがオススメです!

実は金属光沢や表面の粗さといったものも、テクスチャの画像で設定されています。

これらの質感は0~1までの数値を細かく設定することで表現できるのですが、
2Dの画像で見ると一色の濃淡でしかなく、どんな見た目になるのか想像しにくいのです。

3Dペイントソフトには制約や独特の挙動も多いものの、
リアルなモデルを目指す人には重要なツールと言えるでしょう。

 

 

2Dペイントソフト

Photoshop

June 2020 Release of Photoshop - #PHOMO

 

画像編集として有名なPhotoshop

テクスチャの作成ソフトとしても、やはり優秀な機能が揃っています。

とても広く使われているソフトで、解説のサイトも探しやすいのは嬉しいところ。

 

他ソフトで出力した3Dモデルの画像を良い感じに加工することもできるので、
モデルの完成後にもう一度このソフトに戻ってきても楽しいでしょう!

 

今はサブスクリプションのライセンスのみ利用できます。

公式サイト

 

GIMP

GIMP in Less Than 10 Minutes: Beginners Guide

 

Photoshopの代わりとしてよく使われている無料ソフト、それがGIMPです。

Blender同様オープンソースのソフトで、有志によるプラグインも公開されています。

 

日本語のマニュアルや解説動画などもあるので、その点でも安心ですね。

無料ソフトながら関連書籍も豊富なので、サイトを飛び回るのが面倒!
という人にもオススメできます。

 

公式サイトは英語ですが、日本語化もできるのでご安心を!

公式サイト

 

 

3Dペイントソフト

Substance Painter

Paint in 3D with Substance Painter

 

世界中で広く利用されている3Dペイントソフトといえば、このSubstance Painterです。

このソフトが得意とするのが、プロシージャルを用いてのテクスチャ作成。

手間のかかる汚れや縁の削れといった質感を追加したいと思った時も、
簡単な設定で自動で追加して、なおかつあとから編集できるのです。

プロシージャルを用いての作成はリアル系のモデルに向いていますが、
勿論イラストのようなモデルを扱うこともできます。

 

ただ、このソフトでは2Dソフトのように自在には扱えない機能もあります。

特にイラスト風な見た目のモデルを作りたいのであれば、併用を考えたり
思い切って2Dペイントのみで作成するのも良いでしょう。

 

安価なインディーライセンスに加え、なんと無料の学生版も。

公式サイト

 

Blender

Blender 2.90 - Features Reel and Showcase

 

…おや?

またお前か!と思った方。あなたの反応は正常です。

 

実はBlenderさん、3Dペイントもできるんです。

実はスカルプトもできるこのソフト、モデラーあるあるの
ソフトを行き来する手間を無くせる優れモノでもあるのでした。

 

正直モデルデータをあちこち行き来させたり、複数のソフトの扱い方を覚えるのは大変です。

もっと機能が欲しくなるまでは、Blenderのみを極めるのもアリでしょう。

 

一応ですがこちらにも公式サイトのリンクを載せておきます。

公式サイト

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

3Dモデリングの長い旅路を歩き始めた皆さまにとって、
少しでも道標になるような情報をお伝え出来ていれば嬉しいです。

ソフトに関しては数を絞ってお伝えした部分がありますので、
こちらの記事でお伝えしたキーワードから、自分自身の手で合いそうなものを探してみても新たな発見があるでしょう!

 

次回からはついにモデルの作成に入っていきます。

これからどんなモデルを目指す人にも基礎として役立つ内容ですので、
よければまたお付き合いください!

 

-裏口モデル講座
-, ,

© 2024 うさほ3D Powered by AFFINGER5