早速素敵なキャラクターのモデルを作りたい!
でもちょっとお待ちを、そもそもモデルって何からできているんでしょう?
気になるその答えは…
ポリゴンです。
…この答えを見て、「当り前じゃねえか」と思った方はこの記事をスルーしていただいて
大丈夫です。
ただ、脳内にポケットのモンスターが浮かんだ方や、基礎から一緒に学び直してやるよ!
という方は、読み進めていただけるといろいろな発見があるかもしれません。
ポリゴンとは?
さて、まずもってポリゴンとはどんなものでしょうか?
ポリゴンメッシュ (polygon mesh) または非構造格子 (en:unstructured grid) とは、
3次元コンピュータグラフィックスとソリッドモデリングの多面体オブジェクトの
形状を定義する頂点、辺、面の集合のこと。
レンダリングを簡素化するため、通常は三角形、四角形または他の単純な凸型の
ポリゴンで構成されているが、より一般的な凹面の多角形、または穴のある
ポリゴンで構成されることがある。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
つまり…どういうことだってばよ?
なんだかこう見るとちょっとややこしそうです。
だけれどここは裏口モデル講座。
難しい理論や定義はさておき、モデリングをはじめるのに最低限必要な知識に絞って、
解説を進めていきます。
ポリゴンの集合体=3Dモデル
たいへん大雑把に言うと、ポリゴンとはモデルの形を作っている面ひとつひとつです。
アニメのような見た目のゲームモデルでも、イラストのようなVtuberのモデルでも、
はたまた映画に登場する実写のようなモデルでも、このポリゴンが寄り集まって出来ているのです。
特に、このブログで紹介するようなゲームやVtuberのモデルは、人も草木も空や炎さえも、
ペラペラのポリゴンから出来ていると思ってもらえるとわかりやすいでしょう。
このペラペラのポリゴン一枚一枚がペーパークラフトのように組み立てられたものが、
普段目にする3Dモデルの正体なのです。
さて、モデルがポリゴンでできていることは分かりました。
では肝心の、ポリゴンそのものはどういった形なのでしょうか?
複雑なキャラクターやモンスターなんかを作れるということは、
自由に曲げたり形を変えたりできるようなものなのでしょうか?
ポリゴンはどんな形?
結論から言えば、ポリゴンは点(ポイント)、線(エッジ)、面(フェース)からなる多角形です。
ポリゴン一枚一枚は、基本形をまっ平らな三角形として考えれば分かりやすいでしょう。
点を直線でつないでできる面は、三角形が最も単純な形です。
単純な形はコンピューターが扱いやすいので、様々なソフトがこの三角形を一単位として扱います。
四角形以上のポリゴンも存在しますが、それらも全て三角形の平面が合体して作りだしているのです。
下の画像の四角形ポリゴンは、一見すると合体している三角形の面など無いように見えます。
しかし、角度を変えてみてみると…
存在していないはずのエッジが輪郭に出てきました!
実際は四角形が対角線で山折りされていて、二つの三角形の面として扱われているのです。
どんなリアルなモデルでも、最小単位はいつも三角形の平面。
このことは必ず覚えておきましょう。
注意ポイント
次の項目に移る前に、一つだけ注意点があります。
五角形以上のポリゴンは多角形ポリゴンと呼ばれ、様々なエラーの元となります。
モデル作成の際は、使用するポリゴンは必ず四角形までにしておきましょう。
ポリゴンの流れと三角四角
では、そろそろモデリングを始めていきたいところ!
多角形ポリゴンとかなんとか怖いので、とりあえず三角形ポリゴンにして…
しかし、実はここにも落とし穴が。
三角形ポリゴンでできたモデルは、人間の手で調整するのは大変です。
例えばモデルの形を整えるのに、ポリゴンをひとつひとつではなく、まとめて扱いたいと思ったとしましょう。
でも三角形ポリゴンがあると、まとめて選ぶのがとても難しくなってしまうのです。
これはポリゴンの数が増えると更に地獄の様相を呈していきます。
何万枚もある平面を、一枚一枚移動していてはやっていられません。
もう一つ、四角形ポリゴンの大きな利点があります。
ポリゴンが集まり、沢山の線が繋がっていくと、面の流れが見えてきます。
この流れを「トポロジー」と呼ぶのですが、このトポロジーの綺麗さは様々なところで役立つのです。
四角形ポリゴンで作られたモデルは、三角形で作られたものに比べてトポロジーが見やすい傾向があります。
この見やすさは作り手の私たちにとっても非常に大切で、出来上がりのクオリティにまで影響するのです。
もちろん、三角形ポリゴンが大役立ちする場面もあります。
5000ポリゴンで人型のキャラクターを作らなければならないといった場合、
全てを四角形ポリゴンで作ると規定をオーバーしがちです。
ポリゴン数は三角形ポリゴン一枚を1単位として計算しているので、
四角形ポリゴン一枚で二枚分としてカウントされてしまうのです。
そこで登場するのが三角形ポリゴン。
クオリティにあまり影響を与えないポリゴンを減らす時には、
三角形ポリゴンの存在がとてもありがたいのです。
作りたいモデルや用途によって、三角ポリゴンと四角ポリゴンを使い分けると、
出来ることの幅がグンと広がります。
ただ、最初は使い分けるのも難しいと思うので、慣れてきたら少しずつ意識していく
くらいの感覚でやっていきましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
3Dモデルを作り出しているポリゴンという存在について、
少し身近に感じられるようになったでしょうか?
厳密な話をすると、ポリゴンはもっと沢山の要素を持っています。
厚みを持たない、表裏がある、非多様体ジオメトリもエラーになる
スカルプトの元になるモデルは四角ポリゴンで作るのが良い…
しかし、そんなことはモデルを作りながらでないとなかなかピンとこないもの。
まずはモデルに触れてみましょう!
お勉強はモデルをいじりながらでもよいのです。
では最後にまとめを…
ポイント
- ポリゴンがペーパークラフトのように組み立てられたものが、3Dモデルの正体
- ポリゴンは点・線・面からなる、まっ平らな三角形が最小単位
- 四角形以上のポリゴンも、実は三角形が合体しているだけ
- 五角形以上の多角形ポリゴンは使っちゃダメ
- トポロジーは大事な味方。三角ポリゴンと四角ポリゴンを使い分けよう
お疲れ様でした!
あとは作りたいモデルを作れるソフトで、ジャンジャン作っていくだけ!
だけど…
ソフトの選び方がわからない!
そもそもどんなものが作れるんだろう?
なんて疑問もごもっとも。
そんなあなたは、次の記事もあわせてどうぞ!